GRASS GIS 7.0 によるLANDSATデータの画像化

 
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輝度温度の疑似カラー表示

LANDSAT-8の熱赤外バンドの一つ(バンド10)から輝度温度を求め、輝度温度に従って色をつける疑似カラー表示の方法を紹介します。

LANDSAT-8の熱赤外バンドのデータから輝度温度を求める方法はこちらで紹介されています。
https://landsat.usgs.gov/Landsat8_Using_Product.php

1.インポート

バンド10のデータをインポートし、ラスターマップB10を作成してください。
インポートの操作は「Layer Manager」のメニューから「ファイル」⇒「ラスターデータのインポート」⇒「Common formats import」です。インポートするファイルは末尾が「~_B10.TIF」のファイルです。

2.面輝度への変換

注意! ここではマップセットに対して適切に領域設定が行われていることを仮定しています。まだであればインポートしたマップセット「B10」を用いて領域設定を実施してください。

ラスターマップカリキュレータで次の変換を行い、面輝度のラスターマップB10Lを作成してください。

B10L = B10 * 0.0003342 + 0.1

変換式の中の二つの定数は、メタデータの次の記述から得たものです。メタデータはダウンロードした画像データに含まれるテキストファイルで、ファイル名の末尾が「~_MTL.txt」のものです。

RADIANCE_MULT_BAND_10 = 3.3420E-04
RADIANCE_ADD_BAND_10 = 0.10000

3.輝度温度への変換

ラスターマップカリキュレータで次の変換を行い、輝度温度(摂氏温度)のラスターマップB10Tを作成してください。ここでは絶対温度(K)で求められる輝度温度から 273.15 を減算して摂氏温度を求めます。なお、式の中の log は自然対数です。

B10T = 1321.0789 / log(774.8853  /  B10L + 1.0) - 273.15

変換式の中の二つの定数(1321.0789と774.8853)は、メタデータの次の記述から得たものです。

K1_CONSTANT_BAND_10 = 774.8853
K2_CONSTANT_BAND_10 = 1321.0789

なお、上の2.と3.を一度に実施することもできます。つまり、B10から直接B10Tを求めるわけです。その場合の変換式はこちらになります。

B10T = 1321.0789 / log(774.8853 /  (B10 * 0.0003342 + 0.1) + 1.0) - 273.15

4.カラーテーブルの設定

B10Tにカラーテーブルを設定してください。例えばこういうものです。

-10000 black
10 black
15 blue
20 0:150:150
25 green
30 yellow
35 red
40 black
10000 black
nv black

このカラーテーブルでは、摂氏10度から摂氏40度まで5度おきに、黒、青、青緑、緑、黄、赤、黒と割り付けています。中間の温度(たとえば32度)は中間の色(オレンジ)で表現されます。

これで疑似カラー画像が表示されているはずです。色付けと温度の対応は適宜修正してください。上に示すカラーテーブルは8月9日の種子島用に最適化したものです。

出来上がりの疑似カラー画像はすこしぼやけた感じの仕上がりになります。これはLANDSAT-8の熱赤外バンドの画像データを作成するときに、センサの解像度(100m)よりも高い30mの解像度で再サンプリングされているためです。